2005年08月02日

影との戦い―ゲド戦記 1

影との戦い―ゲド戦記 1
4001106841清水 真砂子 Ursula K. Le Guin

岩波書店 2000
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おすすめ平均 star
star隠れた名作
star素晴らしき冒険の始まり
starアースシーの世界へ

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やっと読めました〜。
電車の中でしか本を読まなくなってしまったために
ハードカバーの分厚い本を家でじっくり読む、
なんて機会がなかなかなくて
読むたびに何ページか戻ってあらすじを思い出してから進むという
手間をかけつつ、2年(いや3年か?)かかって読みました。

この作品は「指輪物語」「ナルニア国ものがたり」と並び賞される
ファンタジーの名作である。
「ハリポタ」やその他の新しいファンタジーが続々と出版される現在では
「古典」と呼んでもいいのかもしれない。
確かにクラシカルな文体、奥ゆかしい表現描写などは
現在のファンタジーと明らかに違っていて、それはそれで今となっては
目新しく感じてしまう。

前にどこかで書いたように
私は中学生の時、この本を読んだのだが
その時はあまり面白いと思えなかった。
だから三部作の内「影との戦い」だけで読むのをやめてしまっている。
今、読み直してみて、あの頃、この本がつまらなかったわけが
よーくよーくわかったのだ。
あの頃は、、、
ゲドの冒険にはワクワクと心躍るような場面があまりなくて
陰鬱な冬の海、ゲドの心と同じようにトーンを抑えた文章に
飽き飽きした。
主人公がかっこよく活躍する英雄や王子様ならともかく
力は持つものの、暗い陰を引きずったヘタレの魔法使いというのも
面白みを感じない一因だった。
そして私はまだ「こども」で、自分の内なる戦いというものが
よくわからなかった。
ただ、クライマックスの「影」と一つになるところは
よく憶えているので、それなりに感動したことはまちがいない。

今、読み直して
あの頃は辛気くさかった島々の様子、出来事や人々の気持ちの細かい描写が
一つの答えを導き出すための計算され尽くした描写であることがわかり
本当にすごいと思ってしまった。
細かいのに、皆まで言ってしまわない、そのさじ加減とか
そういう行間の味わい方なんかは、
やっぱり大人じゃないと読み切れなかったんだなー
とつくづく思う。
そして、もちろん子供のようにワクワクするお話もいいけれど
架空の、誰も知らない世界の中の物語が
自分の内的世界と共鳴していくような
それが「ファンタジーのこころ」だと思うような
こんなお話を読みたかったんだなあとも思うのだ。

さすが、誉れ高き名作である。

さて、次は「こわれた腕輪」
これは以前、あらすじを知ったので、どういうお話かわかっている。
気分的には私が一番期待するようなお話だ。
たのしみ〜。
posted by きんと at 15:46| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ゲド戦記のシリーズ大好きです。
一番好きな話は「影との戦い」で,次に好きなのが「こわれた腕輪」です。キャラクターもアースシーの世界も,とても魅力的ですね。私は,エスタリオルとドラゴンが好きです。
お話も深く考えさせられました。何度も,繰り返し読んでいきたい本だと思います。
Posted by 艦長 at 2005年08月02日 20:44
艦長さん、コメントありがとうございます!

私の周りには「ゲド戦記」大好き!
という人がとても多いのです。
それだけ愛されているのですね〜。

私はオジオン師匠が好きです。
やっぱりじじい萌え(笑)
というか、師匠萌えなのかも。
「こわれた腕輪」少し読み始めて
テナーも好きになりそうです。
Posted by きんと at 2005年08月03日 19:29
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